Cサポの全国ネットワーク会議に参加して・・・④

Cサポ

Cサポ全国ネットワーク会議に参加した個人の感想です。

第四回目は岡山県の消費生活センターでの取り組みを紹介します。

困ったと言う前に手を広げて待っている社会を目指したい

障害者に対する「積極的是正措置」。一瞬ではわからない単語ではないでしょうか。

辞書の通りに説明すると、障害者に対し進んで悪い点を改め、改善し解決するために取り計らうこと、となります。

私は障害を持つ人が「困った」という前に手が広げられて待っている社会を作ることだと理解しました。

矢吹氏の講演からは障害者が生活していく上で困る前に、整備や制度を整えておく、そのためにCサポや消費生活センターは活動しているという印象を持ちました。

エレベーターで困っている障害者 医学モデルと社会モデルだけなのか?

障害のある人がエレベーターに乗って困っているときの事例が挙がりました。

医学は、障害を疾病と捉え、そのものを治すことを目指しています。

社会は、降りる階のアナウンスを義務化するなど社会の仕組みを整備することを目指しています

ここで紹介された積極的是正措置は、社会の仕組みを整備する方策を模索するものであると理解しました。

しかし、私はもうひとつ目指しても良い取り組みがあるのではないかと思うのです。

それは教育です。

エレベーターで人と乗り合わせたとき、降りる階を押さなかった人がいたら

「何階で降りますか?」

一声かけるだけで法律の整備や医学が進む前に解決できることが増えるのではないかと思ったのです。

例えば、マンションに住んでいる親子の場合。

親が乗り合わせた住民に対して「何階でおりますか?」と声かけをしている姿を見ていたら、全員と言わずとも自然と子供は同じ声かけをするようになるのではないでしょうか。

障害者が「何階で降ります」と言う前に声かけをする。

これは積極的是正措置にあたるのではないかと思いました。

私たちにできる「積極的是正措置」

エレベーターでの声かけを定義出来るのであれば、他にも私たちが日常的に行っている積極的是正措置があります。

それは「マスク着用」です。

マスク着用は障害者に対する特別な配慮ではありません。

新型コロナウィルス感染拡大の以前から、私たちにはマスク着用の文化がありました。

花粉症の予防のために着用するという理由も確かにあります。

しかし、風邪をひいたとき、咳が出るときマスクを着用していたのは

「自分が病気にならないため」ではなく「他人に病気をうつさないため」という、いわば社会全体への積極的な配慮です。

法的整備が行われる前に、他者に配慮できるということは自然発生で生まれるのではなく、しつけや教育によるものだと思います。

障害者のトラブル抑制には見守りと相談出来る環境が重要であるということは、国民センターによるアンケート調査で明らかになりました。

「大丈夫かな?」「困っていないかな?」声はかけずとも、見守ることが私たちにも出来ます。

見守るということについては、こんな事がありました。

電車通学をしている男子生徒の集団がいました。4人組でしたが、あきらかに1人に対し酷い言葉を並べています。言われている生徒は「そんなことを言うのはやめてほしい」と訴えていましたが、3人は面白がって止める様子はありません。

私は何も言わずにそれを見ていました。

私に気づくと、からかっていた1人の生徒が

「こっちを見ている奴がいる」といって私のことを言い、小さな声で悪態をつきました。

しかしそれをきっかけに、私の前で再び1人の少年をからかうことはありませんでした。

誰かに見られていると感じると、それが自分の行動の客観視につながって行動の抑制(この場合はいじめの抑制)につながる、と何かで読んだことがあるので実践してみた結果です。

障害者が困ったとき、見渡して自分を見守っている誰かと目が合ったら

「助けて」と言うきっかけになるかもしれません。

これが法整備や医療が進む前に出来る私たちの積極的是正措置ではないでしょうか。

矢吹氏のお話の概要はこちら

「消費者行政との連携による消費者教育~消費者庁や岡山県消費生活センターにおける取組~」

矢吹香月氏からは国民センターによるアンケート調査の結果と、障害者支援の取り組みについてのお話がありました。

矢吹氏が一番に伝えたのは「障害者とは障害に直面し、障害と共に生き、障害と戦う者」であることでした。

そして、困っている本人が申し出る前に社会は積極的に手を差し伸べ、制度やサービスの拡充を図る「積極的是正措置」が必要であることを訴えました。

障害者支援を具体的に検討するためにアンケート調査も使われています。アンケート結果から見えてきたものは、トラブル発生の抑止は見守りと相談であることでした。

これを受けて岡山県では障害のある人の安全安心な消費生活支援ネットワーク事業を展開しています。

また、大学生による障害者教育の教材作成の事例を紹介。教材を作り、教育現場で活用していくことも積極的是正措置の一例であると挙げていました。

誰一人取り残さない社会。障害をもつ者だけでなく、周囲にいる人にも自分事としてとらえて欲しいということを強く訴えました。

CサポHPより https://www.c-support.or.jp/page/home.html

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